読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門 [単行本(ソフトカバー)]
基本書は、最低3回読む。第1回目は線を引きながらの通読、第2回目はノートに重要箇所の抜き書き、そして最後に再度通読する。
すでに十分な知識がある分野か、熟読法によって付け焼き刃でも一応の基本知識を持っている分野以外の本を速読しても、得られる成果はほとんどない。
高校レベルの知識に関して自分にどのような欠損があるかを客観的に認識することだ。こういった読書法の類の本は結構好きで、気になった著者の本はすぐに手にとって中をあらためてみることにしています。
純粋にハウツー的な技術論を期待していると言うよりは、その著者の本や読書に対する価値観をうかがい知ることが出来るので、大変興味深いのです。
で、今回の本に関して言えば、著者がロシアや東欧に通暁した元外務官僚で、現在はインテリジェンスを専門にした作家であるという経歴に惹かれて購入しました。
※ちなみに、購入したのはキンドル版ですので、上記の引用部分にもページ数は記していません。
「基本書の熟読によって基礎知識を持っていなければ、速読もおぼつかない」という主張は、今まで自分が読んだことのある読書法の本でも指摘されてきているし、自分としても大いに頷ける部分です。
新鮮だと感じたのは、そのような土台となる基礎知識習得のために、高校の教科書や参考書などを活用するのが効率的であると提案していることです。
この本の後半部分は、歴史や政治に関する基礎知識の概説に多く紙幅を費やしています。
著者の主張からは妥当な展開なのかもしれませんが、「読書の技法」というタイトルからは若干逸脱しているような気がしました。(S)